リピオドリゼ―ション

ターゲティングDDS

肝動脈化学塞栓療法(TACE)

カテーテル肝動脈化学塞栓療法 TransArterial ChemoEmbolization (TACE) は、カテーテルを腫瘍支配動脈に選択的に挿入し、①細胞障害性抗がん剤(例えば、リピオドールと抗がん剤を混和させた懸濁液)を注入した後(リピオドリゼーション)、②塞栓物質を後から投与し、腫瘍を虚血壊死に至らせる治療法

肝動注化学療法(TAI)

肝動注化学療法 Transhepatic Arterial Infusion (TAI) は、カテーテルを腫瘍支配動脈に選択的に挿入し、①カテーテルから細胞障害性抗がん剤のみ(例えば、リピオドールと抗がん剤を混和させた懸濁液)を注入する治療法

肝動脈塞栓療法(TAE)

肝動脈塞栓療法 Hepatic Transcatheter Arterial Embolization (TAE) は、カテーテルを腫瘍支配動脈に選択的に挿入し、カテーテルから塞栓物質のみを注入する治療法

リピオドリゼ―ション

がんの組織内に留まる性質を持つ油性造影剤であるリピオドールと抗癌剤の混合液肝動脈に注入する方法。肝動脈化学塞栓療法(TACE)と肝動注化学療法(TAI)に含まれる。パッシブターゲティングの一つ。

リピオドール

販売名リピオドール480注10mL
一般名ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル
製剤名ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル注射液
効能・効果     リンパ系撮影、子宮卵管撮影、医薬品(注射用エピルビシン塩酸塩)又は医療機器(血管内塞栓促進用補綴材 ヒストアクリル)の調製
使用上の注意       静脈内に注入しないように注意すること(リンパ系撮影・子宮卵管撮影)。

リピオドール/スマンクス動注療法

制癌剤ネオカルチノスタチン(NCS)にスチレン・マレイン酸交互共重合体(styrene-maleic acid copolymer, SMA)を結合させた高分子型制癌剤(平均分子量:約15,000)

SMANCS:SMA+NCS

薬物   ジノスタチン スチマラマー
商品名スマンクス
効能・効果     肝臓がん
用法  ジノスタチン スチマラマーを懸濁用液(ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル)に加え、約3分間超音波照射を行った後、肝動脈内に挿入されたカテーテルより肝動注する。
特徴・肝細胞癌を標的とした肝動注用抗悪性腫瘍剤
・ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステルに対して高い親和性を有する。
・アルブミンと結合し、みかけ上の分子量約8万で、高分子の血中半減期は20倍も延長し、
特に腫瘍部や炎症部には正常組織の5~10倍も集積
 ⇒Enhanced Permeability and Retention (EPR) 効果

リピオドール/ミリプラチン動注療法

ミリプラ水和物構造式
薬物ミリプラチン水和物
商品名  ミリプラ動注用70mg
効能・効果      肝臓がん
用法ミリプラチン70 mgを本剤懸濁用液(ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル)3.5 mLに懸濁し、1日1回肝動脈内に挿入されたカテーテルより投与する。本剤の投与は、腫瘍血管に懸濁液が充満した時点で終了すること
特徴・本剤は脂溶性が高く、ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル(本剤懸濁用液)への懸濁性が良好である。
・本剤はヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステルと共に腫瘍局所に滞留して白金成分を徐放することにより、腫瘍局所の抗腫瘍効果を高め、全身性の副作用を軽減する。
(3)本剤はDACH 構造を持つ白金製剤であり、活性体DPC が腫瘍細胞内で白金-DNA 架橋(アダクト)を形成し、腫瘍増殖抑制作用を示す。

リピオドリゼ―ションの課題

・リピオドリゼーションを繰り返すと、肝動脈枝が徐々に変性し、TACEの効果は減少し、逆に痛みなどの副作用は増大する場合がある。

・リピオドール油滴は表面張力が高く形状が変化しにくいので、腫瘍組織における太い栄養血管から直に分岐する細い血管に侵入できない場合がある。

・一般的なTACEでは,抗がん剤は動脈圧によりプッシュため,腫瘍に加え門脈系に流入するため、腫瘍への集積性が低下する場合がある。

B-TACE

肝細胞癌治療におけるバルーン閉塞下肝動脈化学塞栓療法(balloon-occluded transarterial chemoembolization:B-TACE)

B-TACEはTACEの局所制御効果をさらに向上させることを目的として開発された手法。単なる肝動脈閉塞下の塞栓術ではなく、バルーン閉塞下に発生する血行動態の変化を利用することで,腫瘍への抗がん剤の集積を高める治療法

RAIB-TACE

Balloon-Occluded Trans-Arterial Chemo-Embolization Technique with Repeated Alternate Infusion of Cisplatin Solution and Sparse Gelatin Slurry (RAIB-TACE)

リピオドールを使用せずに、シスプラチン溶液と破砕ゼラチン粒をバルーン閉塞下に交互に繰り返し動脈内に注入する肝動脈化学塞栓療法。リピオドリゼーションに比べて、速やかに抹消の血管に抗がん剤が移行するため、抗がん剤による血管炎や胆管炎のリスクを軽減することができる

参考資料】

  1. リピオドール添付文書
  2. ミリプラ添付文書

【参考ウェブサイト】

  1. 国立がん研究センターがん情報サービス 肝細胞がんhttps://ganjoho.jp/public/cancer/liver/treatment.html
  2. 筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター JA茨城県厚生連総合病院水戸協同病院 何がtace制御を困難にするか? https://www.mitokyodo-hp.jp/iryoukankei/iryoukankeisya/btace/taceseigyo

コメント

スポンサーリンク

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました